仕事が一つなら、優先順位に迷うことはあまりありません。困るのは、
「これも今日中。」
「こっちも急ぎ。」
「あれも先にやってほしい。」
と、仕事が重なったときです。
そんなとき、目の前に来た仕事から手をつけたり、簡単そうな仕事から片づけたりしていないでしょうか。
私も普段、種類の違う仕事を同時に抱えています。
そんな中で優先順位を決めるとき、私がまず見るのは、
「相手がいる仕事か」
そして、
「期限が短い仕事か」
です。
仕事の優先順位は、単純に締切が近い順に並べればいいわけではありません。
自分が止まることで、誰かの仕事まで止まることもあります。
だから私は、自分の仕事だけではなく、その先まで見て順番を決めるようにしています。
仕事の優先順位がつけられないのは、判断基準がないから
仕事が重なると、「どれも大事に見える。」という状態になりがちです。
そうなると、何から手をつければいいのか分からなくなります。
でも、それは仕事量が多いからだけではありません。
順番を決める基準がないから迷うことも多いと思います。
例えば、
- 今日中に作ればいい、自分だけで完結する資料
- 明日までの仕事だけれど、自分の返事を相手が待っている案件
この二つがあったとします。
締切だけを見るなら、今日中の資料を先にしたくなるかもしれません。
でも、明日までの案件も、自分が返事をしない限り相手が次の仕事に進めないのであれば、私はそちらを先に動かすことがあります。
自分の仕事が30分遅れるだけなのか。
それとも、自分が止まることで他の人まで30分止まるのか。同じ30分でも、意味は違います。
仕事の優先順位を考えるときは、自分の机の上だけを見ないことが大切だと思っています。
私はまず「相手がいるか」と「期限」を見る
私が優先順位を決めるとき、最初に見るのは二つです。
相手がいる仕事か。
そして、
期限が短いか。
自分だけで完結する仕事なら、多少後ろにずれても、基本的には影響は自分の中で収まります。
でも、取引先や同僚、上司など、自分の返答を待っている人がいる仕事は違います。
自分が止めている間、相手も動けません。
特に、少し返事をすれば相手が次へ進める仕事なら、私はなるべく早く返します。
これは、「簡単な仕事から先にやる。」という話ではありません。
短時間で返すことで、相手の仕事を動かせるから先にやる。
ここは大きな違いです。
例えば5分で確認できる内容を、忙しいからと夕方まで放置したとします。
自分にとっては5分の仕事でも、相手は半日その回答を待っていたかもしれません。
仕事は一人で完結しているように見えても、実際には誰かの仕事につながっています。
だから私は、まず相手がいるかを見るようにしています。
優先順位は4つの基準で考える
もちろん、相手と期限だけですべて決められるわけではありません。
私なら、次の4つの順番で見ます。
1.相手がいる仕事か
誰かが自分の返事や作業を待っているなら、優先度は上がります。
2.期限が短いか
今日なのか、今週なのか、来月でもいいのか。
期限が近いものほど、当然早めに動く必要があります。
3.後工程を止める仕事か
自分の作業が終わらないと、その先の工程が始められない仕事があります。
建設業では特に分かりやすく、一つの工程が止まれば、その後に入る人まで待たせることになります。
仕事全体を見れば、自分の作業時間だけで考えてはいけません。
4.遅れたときの影響が大きいか
顧客への回答、金額に関わるもの、クレーム、安全に関わるものなどは、単純な締切とは別に優先度が上がることがあります。
多少遅れても問題のない仕事と、少し遅れるだけで信用や損失につながる仕事。
同じ「やること」でも重さは違います。
全部を同じように並べるのではなく、こうした違いを見るだけでも、かなり順番を決めやすくなります。
「簡単だから先にやる」は優先順位ではない
仕事が多いと、
「とりあえずすぐ終わるものから片づけよう。」
と思うことがあります。
もちろん、それが悪いとは言い切れません。
数分で終わる仕事を先に片づけることで、頭の中が整理されることもあります。
でも、簡単だから先にやることと、優先順位が高いことは別です。
10分で終わる仕事が5件あったとしても、その間に本当に重要な仕事を50分遅らせてしまえば意味がありません。
逆に、5分で返答するだけで相手が仕事を再開できるなら、その5分は先に使う価値があります。
「すぐ終わるから。」ではなく、
「これを今やることで、何が動くのか。」
そこまで考えると、優先順位は見えやすくなります。
全部急ぎと言われたら、自分だけで決めない
仕事をしていると、「これ急ぎで。」と頼まれることがあります。
一つならいいのですが、複数の人から同時に言われることもあります。
Aも急ぎ。Bも急ぎ。Cも今日中。
そんな状態で全部を「分かりました。」と引き受けても、物理的に無理なことがあります。
そのとき必要なのは、気合いではありません。
確認です。
例えば上司に、
「今AとBを進めています。Cを今日中にやる場合、どれを後ろにしますか?」
と聞けばいい。
これは優先順位を丸投げしているわけではありません。
自分の状況を伝えた上で、最終判断を確認しています。
仕事によっては、どちらを優先するかを自分で決めていい場合もあります。
でも、会社全体の事情や顧客との約束など、自分には見えていない情報もあります。
優先順位を決める能力には、自分で決める力だけでなく、決められないものを確認する力も含まれる。
私はそう思っています。
すべてを自分だけで抱えて、結局どれも遅れる。
それより、「何を先にするべきですか。」と早めに確認した方が、仕事はずっと進めやすくなります。
優先順位は途中で変えてもいい
朝、今日やる仕事を決めた。
だから、その順番を絶対に守らなければいけない。
私はそうは思いません。
仕事をしていれば、予定外のことは起こります。
急な問い合わせ。トラブル。クレーム。現場での問題。
今日中に回答が必要な案件。
そうした仕事が入れば、朝に決めた順番を変えることもあります。予定を変えることは、計画性がないことではありません。
状況が変わったのに、最初に決めた順番だけを守り続ける方が問題になることもあります。
大切なのは、計画を守ることではなく、
仕事の目的を守ることです。
今何を優先すれば、全体が一番スムーズに進むのか。
状況が変わったら、優先順位も見直せばいい。
優先順位は、一度決めたら動かしてはいけないものではありません。
仕事が多いほど「今はやらない」を決める
仕事が増えると、「全部早く終わらせなきゃ。」と思ってしまいます。
でも、同時に全部はできません。
結局、一つずつやるしかありません。
だから必要なのは、全部を急ぐことではなく、
今、何をやるかを決めることです。
そして同時に、
今は何をやらないかを決めること。
これは仕事を放棄するという意味ではありません。
後でもいい仕事を、一度脇に置くだけです。
「あれもやらなきゃ。」
「これもやらなきゃ。」
と全部を頭の中に置いたままにするより、
「今はこれ。」
と決めた方が、目の前の仕事にも集中できます。
まとめ|優先順位は、自分だけでなく仕事全体を見る
仕事の優先順位がつけられないとき、私はまず、
「相手がいる仕事か。」
「期限は短いか。」
を見ます。
そこから、後工程を止めないか。
遅れたときの影響は大きくないか。まで考えます。
仕事は、自分一人で終わるものばかりではありません。
自分が止まれば、誰かが止まる。
自分が少し早く返せば、誰かが次に進める。
そう考えると、優先順位は単なる「自分のタスク整理」ではなくなります。
そして、自分だけでは決められないものは確認すればいい。優先順位とは、全部を速く終わらせる技術ではありません。
「今やる仕事」と「今はやらない仕事」を決めること。
仕事が重なったときほど、自分の目の前だけではなく、その先まで見て順番を決めたいと思っています。




