【報連相】仕事ができる人の報連相とは?お知らせではダメ

仕事ができる人の報連相 仕事術

仕事で、

それで?

……で?

と言われたことはありませんか。

言われた瞬間、
「それでって何だよ。」
「ちゃんと報告したじゃないか。」

そう思うこともあるでしょう。
私も若い頃はそうでした。
でも今なら分かります。

もしかすると、その
「で?」
は意地悪ではなく、

あなたの言葉だけでは、
次に何をすればいいか判断できなかったのかもしれません。

仕事では、「伝えた」だけでは終わりません。

相手が次の行動を取れるところまで伝えて、初めて報告・連絡・相談になります。

この記事でわかること
  • 報告・連絡・相談の違い
  • 上司が判断しやすい報告の仕方
  • 連絡でどこまで伝えればいいのか
  • 相談を丸投げにしない方法
  • 報連相をするタイミング
  • ミスやトラブルを起こしたときの報告
  • 事実と自分の判断を分ける方法
  • 口頭・電話・メール・チャットの使い分け
  • 部下が報連相しやすい職場の作り方

報連相とは?報告・連絡・相談は少しずつ役割が違う

「報連相」は、報告・連絡・相談の頭文字を取った言葉です。

全部「人に何かを伝えること」なので似ていますが、役割は少し違います。

種類目的仕事での例
報告進捗・結果・問題などを伝える「作業が完了しました」「納期が遅れそうです」
連絡関係者に必要な情報を共有する「会議が15時に変更になりました」
相談判断に迷うことについて意見や指示を求める「A案とB案ならどちらで進めますか」

ハローワークの就職支援資料でも、報告は現状を説明すること、連絡は事実を関係者へ伝えること、相談は分からないことについて上司や先輩へ尋ねることとして整理されています。

ただ、仕事では定義を覚えることより、

「相手はこの情報を受け取ったあと、何ができるのか」を考える方が重要です。

報連相で一番大事なのは「相手が次に動けること」

電話で報告 電波

以前、実際にこんな報告を受けたことがあります。

「工具が壊れました。」

私は心の中で思いました。「……で?」

  • 何が壊れたのか。
  • どこが壊れたのか。
  • いつから使えないのか。
  • 何が原因なのか。
  • 修理できそうなのか。
  • 仕事に影響するのか。
  • 代わりの工具はあるのか。

これが分からなければ、こちらも判断できません。

たとえば、

「インパクトドライバーのスイッチが入らなくなりました。昨日落としたのが原因かもしれません。明日使う予定ですが、予備がありません。修理だと間に合わなそうなので、買い替えていいですか?」

ここまで分かれば、

  • 「買っていい」
  • 「予備を○○から借りよう」
  • 「一度修理に出そう」

と、次の判断ができます。

つまり、報告する側が情報を一つ足すだけで、受ける側の仕事が一気に進むことがあります。

仕事ができる人は、自分が何を言いたいかだけではなく、相手が次に何を知りたくなるかまで考えているのだと思います。

報告は「結論→事実→必要な判断材料」で伝える

報告でありがちなのが、最初から経緯を全部説明してしまうことです。

「昨日○○さんから連絡がありまして、それで今日確認したんですけど、担当者がいなくて、それで……」

聞いている側は途中で、「結局どうなったの?」となります。

厚労省系の若年労働者向け資料でも、報告は「結果を先に」、その後に経過を簡潔に説明することが示されています。

基本は、

結論 → 事実 → 必要なら原因・対応案・判断してほしいこと

で十分です。

たとえば、こうです。

伝え方例
結論「明日の納品に間に合わない可能性があります」
事実「材料の入荷が1日遅れています」
影響「このままだと完成が明日の午後になります」
対応案「午前中に別工程を先行すれば、遅れを半日にできます」
判断してほしいこと「先方へ納期調整の連絡を入れてよいでしょうか」

全部を毎回言う必要はありません。

でも、「相手は何を判断しなければならないか」を考えると、必要な情報が見えやすくなります。

事実と自分の判断は分けて伝える

報告するときにもう一つ大切なのが、事実と自分の推測を混ぜないことです。

たとえば、

「工具が故障しました。昨日落としたのが原因です。」

と言うと、落下が原因だと確定しているように聞こえます。

でも実際には、

  • スイッチが入らない → 事実
  • 昨日落とした → 事実
  • 落としたことが原因だと思う → 推測

かもしれません。

なら、

「スイッチが入りません。昨日一度落としているので、それが原因かもしれません。」

と分ければいい。

厚生労働省の研修資料でも、情報を発信するときは、事実と自分の判断を区別して伝えることがポイントとして挙げられています。

これは小さな違いですが、判断する側にとっては重要です。

連絡は「伝えました」で終わらせない

報告だけではありません。
連絡も、「伝えたから終わり」になりやすい仕事です。

例えば、

「○○さんに伝えました。」

だけでは、受け取った人はまた聞かなければなりません。

  • 「返事は?」
  • 「いつやってくれるの?」
  • 「了解していた?」

それなら、

「○○さんへ伝えました。来週月曜日に対応してくれるそうです。見積もりは金曜日にもらえる予定です。」

まで伝える。
これなら、相手は次の状況まで把握できます。

厚労省系資料でも、連絡については今後の予定を分かりやすく伝え、変更があれば早く訂正することが重要とされています。

連絡とは、単なるお知らせではありません。
関係する人が、「じゃあ自分は次に何をすればいいか」を分かる状態にすることです。

会議や仕事の調整では、正式な場になる前に必要な情報を共有しておくこともあります。

相談は「どうしたらいいですか?」だけで終わらせない

以前、こんな相談を受けたことがあります。

「効率を上げるために、いい感じの道具を買ってください。」

私は思いました。
「いい感じって何?」

その仕事を実際にしているのは本人です。

  • 何が不便なのか。
  • 何に時間がかかっているのか。
  • 何があれば改善できそうなのか。

一番分かっているのも本人です。

だから相談するときは、

  • 今どうなっているのか
  • 何に困っているのか
  • 自分ではどう考えているのか
  • 何を判断してほしいのか

くらいまで整理してもらえると、相談される側も答えやすくなります。

たとえば、

「今の工具だと1か所の施工に約15分かかっています。充電式の○○があれば10分くらいに短縮できそうです。候補が2機種あって、価格差が1万円あります。使用頻度を考えると安い方で十分だと思いますが、購入していいですか?」

これなら相談できます。

「考えてください」ではなく、判断材料を持ってくる。これが相談です。

ただし、自分の考えがまとまっていなければ相談してはいけない、という意味ではありません。

本当に分からないなら、

「ここまでは調べましたが、この先の判断ができません」

でもいい。

分からないことを一人で抱えるより、早く質問した方がいい場面もあります。

報連相は「仕事が終わったとき」だけではない

報告というと、仕事が終わったら結果を伝えるものと思う人もいるかもしれません。

でも、長い仕事なら途中で報告した方がいいことがあります。

厚労省系の資料でも、長期の仕事では中間報告を入れることや、仕事の途中経過を報告することが挙げられています。

たとえば、

  • 予定どおり進んでいる
  • 少し遅れている
  • 判断に迷っている
  • 想定外の問題が出た
  • 当初の方法では難しそう

こういう情報が途中で分かれば、上司や関係者はまだ手を打てます。

締切当日に、

「実は3日前から遅れていました」

と言われても、できることは少なくなります。

報告した方がいい代表的なタイミング

状況報告
仕事が完了した結果を報告
長い仕事の途中中間報告
予定から遅れそう分かった時点で報告
方針に迷った大きく進める前に相談
他人の仕事にも影響する早めに共有
ミス・事故・クレームが発生最優先で報告

特に重要なのが、最後です。

ミスやトラブルほど早く報告する

良い報告はしやすい。

「終わりました」「うまくいきました」なら、誰でも言いやすいでしょう。

難しいのは悪い報告です。

  • 「ミスしました」
  • 「間に合いません」
  • 「壊しました」
  • 「お客様からクレームが来ました」
  • 「怪しいメールのリンクを押してしまいました」

こういうときほど、全部調べてから報告しようと思ってしまう人がいます。

でも、問題によってはその時間が被害を大きくします。

厚労省系の資料でも、事故など緊急性が高いときはすぐ報告すること、ミスやクレームは優先的に扱うことが示されています。

だから、まだ原因が分からなくても、

「問題が起きました。現在ここまで分かっています。今、原因を確認しています。」

でいい。

第一報と最終報告を分ければいいんです。

ミスしたときの第一報はこれだけでもいい

何が起きたか
○○を間違えました。

今分かっている影響
△△へ影響する可能性があります。

現在やっていること
いま状況を確認しています。

判断が必要なら
○○へ連絡してよいでしょうか。

完璧な報告を作ってから話す必要はありません。

悪い情報ほど、早く。

これはかなり重要です。

最近書いたフィッシングやBECの記事でも、被害が起きた場合は早い対応が重要になります。

そして、部下がミスを言い出せずに抱え込む問題については、こちらでも詳しく書いています。

「まだ全部分かっていないから報告できない」は違う

仕事では、

「もう少し調べてから報告します」

が正しい場合もあります。

でも、報告しなければ誰かの判断が止まる状態なら、全部分かるまで待たない方がいい。

たとえば、

「原因はまだ分かっていません。ただ、現在ラインが止まっています。復旧まで30分以上かかる可能性があります。」

これだけでも、管理する側は、

  • 他工程を動かす
  • 顧客へ連絡する
  • 応援を呼ぶ
  • 納期を再確認する

といった判断ができます。

報連相は、完成した情報を提出する作業ではありません。

仕事を止めないために、必要な情報を必要なタイミングで渡すものです。

緊急度によって伝える手段も変える

今は連絡手段も増えています。

  • 対面
  • 電話
  • メール
  • ビジネスチャット
  • 社内システム

何でもメールでいいわけでも、何でも電話すればいいわけでもありません。

私は、ざっくりこう考えています。

状況向いている方法
今すぐ判断が必要口頭・電話
簡単な進捗共有チャット
記録を残したいメール・社内システム
複数人へ同じ情報を共有メール・チャット
重要事項口頭で確認+記録を残す

例えば、「明日の会議資料を共有します」ならメールやチャットで十分です。

一方、「顧客への誤送金が発覚しました」をメールだけ送って返事を待つのは危ない。

緊急度が違います。

ビジネスメールそのものの書き方や、CC・添付ファイルなどの基本はこちらでまとめています。

報連相をするときは「誰に伝えるか」も考える

情報の内容が正しくても、伝える相手が違えば仕事は進みません。

例えば、

  • 作業の完了 → 指示した上司
  • 工程変更 → 関係する担当者
  • 顧客トラブル → 上司・営業・必要な責任者
  • セキュリティ事故 → 上司・情報システム担当
  • 納期変更 → 社内関係者・必要なら顧客

というように、内容によって相手が変わります。

「私は○○さんに言いました」だけではなく、誰がその情報を必要としているかまで考えることが必要です。

報連相が多ければいいわけでもない

では、何でも逐一報告すればいいのでしょうか。
私はそれも違うと思っています。

  • 「今からコピーします」
  • 「コピー終わりました」
  • 「これからファイル保存します」

まで報告されたら、仕事になりません。

大事なのは、相手の判断や仕事に影響する情報かどうか、です。

迷うなら、

「どのタイミングで報告した方がいいですか?」

と最初に確認しておくのも一つです。

新人とベテラン、担当者と管理職でも、必要な報告量は違います。

だから報連相は、決まった回数ではなく、
仕事の状況が見えなくならない程度に共有するくらいに考えた方が実用的です。

仕事ができる人は「相手に余計な質問をさせない」

私は、仕事ができる人には共通点があると思っています。

それは、相手が次に何を聞くかを考えていることです。

「工具が壊れました」と言えば、

  • 「何が?」
  • 「どう壊れた?」
  • 「仕事はできる?」

と聞かれる。なら、最初から入れておく。

「○○さんに連絡しました」と言えば、

  • 「返事は?」
  • 「いつ?」
  • 「どう対応してくれるの?」

と聞かれる。なら、それも伝える。

全部完璧に予想する必要はありません。

ただ、

「この報告を受け取った人は、次に何を知りたいだろう?」

と一度考えるだけで、かなり変わります。

これは報連相だけでなく、言葉で仕事を進める力そのものです。

上司によって指示が違い、誰に従えばいいのか分からない場合はこちらも参考にしてください。

報連相できない原因が部下だけにあるとは限らない

ここまでは報告する側の話をしてきました。

でも、管理職になってから強く思うのは、報連相は受ける側にも責任があるということです。

部下が悪い報告をしたときに、「なんでそんなことしたんだ!」と毎回最初に怒鳴る。

質問すると、「そんなことも分からないのか」と言う。

相談に来ても、「自分で考えろ」で終わる。

そんな職場で、「何でも早く報告しろ」と言っても、報告は上がりにくくなります。

厚生労働省の「こころの耳」でも、部下から相談を受ける際には話を聴く姿勢や、相談しやすい関係・環境づくりが重要とされています。

私は、上司と部下が友達になる必要はないと思っています。でも、困ったときに仕事の話ができる関係は必要です。

管理職は「早く言ってくれて助かった」を伝える

部下が、

「すみません。ミスしました。」

と報告してきた。
もちろん、ミス自体は確認しなければなりません。

原因も調べる。必要なら注意もする。

でも私は、報告してきたことと、ミスしたことは分けて考えた方がいいと思っています。

まず、「分かった。今どうなってる?」と状況を確認する。問題を止める。必要な対応をする。

そのあとで、「次はどうすれば防げるか」を考える。

特に早い段階で報告してきたなら、

「早く言ってくれて助かった」

と伝えていい。

そうすれば、「悪いことを報告したら怒られる」ではなく、「困ったら早く言えば対応できる」と覚えてもらえます。

部下が質問してこない、相談してこないという問題についてはこちらでも詳しく書いています。

報連相の簡単なテンプレート

最後に、迷ったときに使える形にしておきます。

報告するとき

結論: ○○になりました。
状況: 現在△△です。
影響: このままだと□□に影響します。
対応: 私は○○しようと考えています。
確認: この進め方でいいでしょうか。

連絡するとき

何が変わったか: ○○が△△へ変更になりました。
いつから: □日からです。
誰に関係するか: ○○担当者が対象です。
必要な行動: △△をお願いします。

相談するとき

状況: 現在○○です。
困っていること: △△で判断に迷っています。
自分の考え: 私は□□がよいと思っています。
聞きたいこと: この進め方で問題ないでしょうか。

必ずこの型に当てはめる必要はありません。

でも、何を言えばいいか分からないときの出発点としては使えます。

まとめ|報連相は「伝える」ためではなく仕事を進めるためにある

報連相というと、新入社員研修で習う基本的なビジネスマナーのように聞こえます。

でも、私はそれだけではないと思っています。

  • 報告が遅れれば、判断が遅れる。
  • 連絡が足りなければ、関係者の仕事が止まる。
  • 相談が丸投げなら、相手がゼロから考えなければならない。

逆に、

  • 報告は、相手が判断できる情報まで渡す
  • 連絡は、関係者が次に動けるところまで伝える
  • 相談は、状況と自分の考えを整理して持っていく
  • ミスやトラブルほど早く共有する
  • すべて分かっていなくても、必要なら第一報を出す

これができれば、仕事はかなり進めやすくなります。

「それで?」と言われたら、腹が立つこともあるでしょう。

でも一度だけ、「相手は、次の判断に必要な情報を持っているだろうか」と考えてみる。

そして、報告を受ける側も、
悪い情報を早く持ってこられる環境を作る。

報連相は、上司に仕事を丸投げするためのものではありません。自分で考えながら、必要なところで周囲の力を使い、仕事を前へ進めるためのものです。

私は、仕事ができる人とは、自分の仕事が速い人ではなく、相手の仕事まで速くできる人なのだと思っています。

自分で考え、周囲と連携しながら最後まで仕事を進めることについては、こちらでも詳しく書いています。

→ 【責任を持つ・責任を取るの違い】仕事で本当に必要なのは?