「根回しって、なんだか苦手だ。」
偉い人に先に話を通す。味方を作る。反対する人を説得しておく。そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。
でも私は、仕事の根回しをそんな難しいものだとは考えていません。
会議で決めたいことがあるなら、会議の前に参加者全員へ話しておく。
基本はそれだけです。
私はむしろ、会議当日に初めて内容を説明して、そこから質問や反対意見を聞いて、一から調整を始める方が不思議です。
会議は公式に決める場。その前に、説明も確認も反対意見の把握も終わらせておく。
この記事では、根回しが苦手な人に向けて、私が仕事で実際にやっているシンプルな根回しの方法を紹介します。
- 根回しは偉い人を味方につけることではない
- 会議参加者や関係者には事前に全員話す
- 反対されたら、何に反対しているのかを聞く
- 案の芯は変えず、妥協点や別案を用意して会議に持っていく
仕事の根回しは会議前の事前調整だと思えばいい
根回しという言葉には、少し嫌な印象があるかもしれません。
裏で話をつける。偉い人に取り入る。賛成してくれる人を増やして、反対する人を押し切る。
もし根回しをそう考えているなら、苦手に感じるのも分かります。
でも、私がやっている根回しはもっと単純です。
「今度の会議でこれを出そうと思っているんですけど、どう思います?」
これを、会議に参加する人や関係する人へ事前に話していくだけです。
そこで賛成なら、そのままでいい。疑問があれば答える。反対なら理由を聞く。
根回しとは、会議の結論を裏で決めることではなく、会議で決められる状態まで事前に持っていくこと。
私はそう考えています。
普段の仕事も同じで、完成してから初めて見せるより、早い段階でたたき台を共有した方が手戻りは減ります。私は以前、100%まで作ってから見せるタイプでしたが、今は途中で方向を確認するようになりました。
根回しが苦手でも話す順番まで考えなくていい
根回しの方法を調べると、「まずキーマンを押さえる」「決裁者から話す」といった話も出てきます。
もちろん、会社や案件によっては順番が重要なこともあるでしょう。
でも、私は普段そこまで考えていません。
近くにいる人。今ちょうど時間が空いている人。話しやすいタイミングの人。そこから順番に話します。
なぜなら、最終的には全員に話すからです。
特定の偉い人だけに説明して、「この人が賛成しているから大丈夫」と進めるわけではありません。
会議に参加する人が5人なら、5人に話す。関係者が別にいるなら、その人にも話す。
根回しが苦手なら、誰から攻略するかではなく、まず全員に一度話すことを考えればいい。
そう考えると、かなり簡単になります。
会議で初めて説明するのでは遅い
私は、会議で一から説明を始めるのは遅いと思っています。もちろん、最終的な説明や確認は必要です。
でも会議当日に初めて聞いた人が、そこで内容を理解し、問題点を考え、自分の部署への影響を確認し、賛否を決める。
それでは、その場で決まらなくても不思議ではありません。
「その数字はどうなっているんですか?」
「うちの部署ではその日程は無理です」
「その場合、誰が担当するんですか?」
こういう話が会議で初めて出れば、確認のために持ち帰ることになります。
だったら、その質問を会議前に出してもらえばいい。
会議は一から考え始める場所ではなく、事前に調整した内容を公式に決める場所。
私はそのくらいの感覚で準備しています。
事前調整が終わったあと、実際に会議をどう進めて決定まで持っていくかは別の仕事です。アジェンダ作成から当日の進行、議事録までの流れは、こちらでまとめています。
反対されたら「何が反対なのか」を聞く
事前に話せば、当然反対されることもあります。
私はそこで、すぐに「じゃあ案を変えます」とはしません。
まず聞くのは、何に反対しているのかです。
- 案そのものに反対なのか
- 費用が問題なのか
- 時期が悪いのか
- 人員が足りないのか
- その部署への負担が大きいのか
「反対です」だけでは、こちらも何を準備すればいいか分かりません。
でも理由が分かれば、対応できることがあります。
費用が問題なら、金額を下げる方法を考える。
時期なら、開始時期をずらせるか検討する。
人員なら、応援や役割分担を考える。
反対意見は、案を潰すものではなく、会議までに準備するものを教えてくれる情報です。
事前に聞けるほど、会議はやりやすくなります。
案の芯は変えず妥協点や別案を用意する
反対理由を聞いたら、妥協できるところは考えます。
ただ、私は基本的に、最初に出した案そのものを簡単に変えるわけではありません。
その案を出したのには理由があるからです。
変えられる条件はどこか。ここまでは譲れる。ここは変えられない。それなら別案としてこういう方法もある。
そこまで準備しておきます。
すると会議で反対意見が出ても、初めて聞く話ではありません。
「そこについては事前にも話しました。ここまでは変更できます。難しければこちらの案もあります」と返せます。
根回しをしておくと、反対意見がなくなるのではなく、反対意見への準備ができる。
私はここが大きいと思っています。
根回しは全員を賛成させるためにやるものではない
根回しをしたからといって、会議参加者全員を賛成させる必要はありません。意見が違うことはあります。
こちらが説明しても、「それでも私は反対です」という人がいてもいい。
大切なのは、会議当日に初めてその反対を知る状態にしないことです。
相手が反対しているからといって、考えまで変えさせる必要はありません。私は仕事でも、他人を自分の思い通りに変えようとしない方がいいと思っています。
必要なのは相手を変えることではなく、違う意見がある前提で、自分がどう動くかを考えることです。
何に反対しているのか。こちらはどこまで対応できるのか。残る争点は何なのか。
そこまで分かっていれば、会議ではその部分について判断できます。
全員を賛成させることが根回しではありません。全員が何を考えているか把握したうえで、決める場に持っていくことです。
だから私は、根回しを社内政治だとは思っていません。
根回しが苦手なら一人ずつ話すことから始める
根回しが苦手な人は、最初から難しい交渉をしようとしなくていいと思います。
まず、次の会議で自分が出したい議題を一つ決める。
そして参加者に、一人ずつこう聞いてみてください。
「今度これを出そうと思ってるんですけど、どう思います?」
それだけで十分です。
返ってきた反応を分けます。
- 賛成:そのままでいい
- 疑問:会議までに回答を用意する
- 反対:何に反対しているか聞く
- 条件付き賛成:条件を確認し、対応できるか考える
全員と話し終わる頃には、会議でどんな質問や反対が出るか、かなり分かっているはずです。
報告や相談も、相手が判断できる材料を揃えて伝えることが大切です。日常の報連相については、ブログ内の関連記事もあわせて参考にしてください。
事前調整ができても、本番の会議で何を言えばいいか迷うことはあります。そんな人は、会議でまず一言発言するためのコツも参考にしてください。
まとめ|根回しは会議の前に仕事を終わらせること
仕事の根回しが苦手だと感じるなら、難しく考えすぎているのかもしれません。
偉い人から攻略する必要はない。味方を作って反対派を潰す必要もない。
私がやっていることはシンプルです。
- 会議参加者や関係者には事前に全員話す
- 順番はそれほど気にしない
- 反対されたら、何が反対なのか聞く
- 妥協できる部分と変えられない部分を分ける
- 必要なら別案も準備する
- 会議では残った論点を確認して正式に決める
根回しとは、会議の結論を裏で決めることではありません。会議で決められる状態まで、事前に仕事を進めておくことです。
会議で初めて説明して、初めて反対意見を聞いて、そこから考える。
それでは会議が長くなるのも、決まらないのも当然です。
会議は公式に決める場。
その前に、できる話は全部終わらせておく。
私は、それが仕事の根回しだと思っています。





