【部下がミスを隠す】怒るより「早く頼っていい」を教えよう

ミスを隠す部下 仕事術

部下がミスを隠していた。
しかも、それが発覚したときには、すでに問題が大きくなっている。

管理職をしていると、こんな経験をすることがあります。

物を壊したのに報告しない。
作業を間違えたのに黙っている。
顧客とトラブルになったのに、自分でなんとかしようとする。
そして、なんとかならなくなってから報告してくる。

「なんでもっと早く言わなかったんだ」
そう言いたくなる気持ちは、よく分かります。
私も何度も経験してきました。

ただ、部下がミスを隠したとき、怒るだけではあまり意味がありません。

大切なのは、「ミスをするな」と教えることではなく、「困ったときは早く頼っていい」と教えること。

ミスは誰にでもあります。問題なのは、その後です。

  • ミスが発覚したら、説教より先に状況を確認する
  • まず問題を解決し、そのあとで振り返る
  • 「早く言っていたらどうできた?」を本人に考えてもらう
  • 自分で考えることと、一人で抱え込むことは別だと教える

部下がミスを隠すと問題はどんどん大きくなる

ミスそのものは、小さな問題だったかもしれません。

物を壊した。作業を間違えた。予定していた工程に間に合わなくなった。顧客からクレームを受けた。

その時点ですぐに報告していれば、対応できることはたくさんあります。

  • 代わりの物を手配する
  • 工程を組み直す
  • 他の人に応援を頼む
  • 顧客へ事情を説明する
  • 必要なら上司がすぐ謝罪に行く

ところが、部下がミスを隠すと、この時間が失われます。

実際、私は部下からの報告が遅れたことで、顧客への謝罪がトラブルから2日後になってしまったことがあります。

謝りに行った私に、相手から言われたのは、
「いまさら何しにきた!」でした。
そのまま追い返されました(笑)。

もちろん、トラブルが起きたその日に行ったからといって、必ず許してもらえたとは限りません。それでも、会社としてすぐに対応することはできたはずです。

報告が遅れるということは、上司への連絡が遅れるだけではありません。
会社が問題を解決するための時間まで失わせるということです。

特に顧客が絡む問題は、時間が経つほど対応が難しくなります。だから私は、ミスそのものよりも、その後の報告を大切にしています。

部下がミスを隠す理由は「自分でなんとかしたい」ことも多い

ミスを隠す部下というと、「怒られるのが怖い」「評価を下げられたくない」「責任から逃げたい」。
そんな理由を想像するかもしれません。

もちろん、そういうケースもあります。

でも、私がこれまで見てきた中では少し違いました。
感覚的には8割くらいが、「自分でなんとかしようとした。でも、なんとかならなかった」です。

本人なりに解決しようとはしているんです。

だから私は、そういう部下を最初から怒鳴りつけても仕方がないと思っています。

むしろ教えたいのは、「もっといいやり方があったよ」「ここは早く頼ってよかったんだよ」ということです。

自分でなんとかしようとした姿勢まで否定する必要はありません。ただ、その判断によって問題が大きくなったのであれば、次は違う行動を取れるようにしなければならない。

自分で考えることと、一人で抱え込むことは別です。

ミスが発覚したら説教より先に状況を確認する

隠していたミスが発覚すると、「なんで黙ってたんだ!」と、その場で言いたくなることもあります。

でも、だいたいこういうときは、すでに大事になっています(笑)。だから私は、まず状況を確認します。

  • 何が起きたのか
  • いつ起きたのか
  • 誰に影響しているのか
  • 顧客は知っているのか
  • 工程は変わるのか
  • 新しい手配は必要なのか
  • 今すぐ対応しなければならないことは何なのか

まずは、問題を解決することが先です。

顧客が怒っているのに、部下を30分説教していても状況は良くなりません。壊れた物が必要なら代わりを手配する。工程に影響するなら関係者へ連絡する。顧客対応が必要ならすぐ動く。

火が出ているなら、反省会より先に火を消す。

私はこの順番で考えています。

ミスが起きたときに「誰が悪いか」より「次どうする?」を考える理由は、こちらの記事でも詳しく書いています。

【犯人探しでは解決しない】仕事ができる人は「次どうする?」を考える

問題が解決してから「早く言っていたら?」を考えさせる

トラブルへの対応が終わったら、そこで初めて部下と振り返ります。

私はまず、「今回はこういう対応をした」と説明します。
そのうえで、「これ、最初に分かった時点で言ってくれていたらどうだったと思う?」と考えてもらいます。

もっと早く代わりを手配できたかもしれない。工程を変更できたかもしれない。顧客へその日のうちに説明できたかもしれない。他の人に助けてもらえたかもしれない。

実際に上司が行った対応を見せれば、
「早く報告していれば、こんな選択肢があったんだ」と本人も理解できます。

ただ「次から早く報告しろ」と言うより、その方が伝わります。

そして最後に、「じゃあ、次に同じことが起きたらどうする?」まで考えてもらう。

失敗したことを責め続けるより、次に同じ状況になったときの行動を変える方が大切です。

問題が起きたあとに謝らせて終わるのではなく、次はどう動くかまで考えてもらう。それが、部下に仕事の責任を教えることだと思います。

【責任を持つ・責任を取るの違い】仕事で本当に必要なのは?

部下には「ミスしたら基本的に報告」でいい

では、どこまで自分で対応して、どこから上司へ報告するべきなのでしょうか。

私は、基本的にはミスが起きたら報告していいと思っています。
だからといって、何でも上司に判断してもらえという意味ではありません。

たとえば、「こういうミスがありました。今はこう対応しています」でもいいんです。
自分で考えて、自分で動く。そのうえで報告する。

上司が状況を知っていれば、「それで大丈夫。そのまま進めて」と任せることもできます。逆に、「いや、それはすぐ顧客に連絡しよう」と介入することもできます。

ところが
報告がなければ、上司にはその判断すらできません。

特に、次のようなミスは本人だけで抱え込まない方がいいでしょう。

  • 顧客が絡む
  • 工程が変わる
  • 新たな手配が必要になる
  • 他の人の仕事に影響する

なかでも私は、顧客が絡む問題を一番怖いと思っています。対応が1日遅れるだけで、相手の受け取り方がまったく変わることもあるからです。

怒られるのが怖くて隠すなら上司側も考える

もちろん、部下側だけに原因があるとは限りません。

「報告したら絶対に怒鳴られる」「ミスを言ったら延々と責められる」。そんな上司なら、部下が報告をためらうのも分かります。

だから上司側も、悪い報告ほど早く持ってきてもらえる関係を作る必要があります。

そのためには、怒りをそのままぶつけず、問題解決を優先するために自分の感情を扱う力も必要です。【EQとは】管理職ほど必要?仕事で重要な理由と高め方で詳しく書いています。

だからといって、ミスを何でも許すという話ではありません。
やってはいけないことは注意する。
改善すべきことは改善させる。
同じミスを繰り返しているなら、その原因も考える。

ただし、「報告してきたこと」と「ミスしたこと」は分けて考える。

早く報告してきたのであれば、まず状況を確認する。
そして一緒に対応する。
そのあとで、何が悪かったのかを振り返ればいい。

「悪いことを報告したら怒られる」ではなく、「困ったときは早く言えば、一緒に対応してもらえる」。
そう覚えてもらった方が、次の報告は早くなります。

まとめ|部下がミスを隠すなら「頼り方」を教えよう

部下がミスを隠していたら、腹が立つこともあると思います。

しかも、発覚したころには問題が大きくなっている。「なんでもっと早く言わなかったんだ」と言いたくなるでしょう。

でも、そこで怒って終わってしまえば、部下が覚えるのは「やっぱりミスを報告すると怒られる」ということかもしれません。それでは、次の報告も遅くなります。

まず状況を把握する。問題を解決する。そのあとで、「もっと早く言っていたら、どうできただろう?」と一緒に考える。

そして、「自分で考えることは大切。でも、一人で抱え込まなくていい」と伝える。

ミスを完全になくすことはできません。

だからこそ管理職が作るべきなのは、
ミスが一度も起きない職場ではなく、ミスが起きたとき、早く報告が上がってくる職場なのだと思います。