「頭では分かっているのに、うまく説明できない。」
「話しているうちに、何を言いたかったのか分からなくなる。」
「結論から話しも、なぜか相手に伝わらない。」
そんなときに必要なのが、言語化能力です。
私は言語化能力は、難しい言葉を知っていることでも、文法をきれいに使えることでもないと思っています。
大切なのは、頭の中にある情報を整理して、相手が理解しやすい言葉と順番に変えること。
そして、伝わっていなければ修正することです。
この記事では、仕事や日常ですぐにできる言語化能力の鍛え方を、私自身の経験も交えて紹介します。
言語化能力は文法や語彙力だけではない
言語化能力というと、
- 「語彙力を増やす」
- 「文章力を鍛える」
- 「正しい日本語を使う」
といったことを思い浮かべる人もいるかもしれません。
もちろん、それらも役には立ちます。でも、それだけでは足りません。
たとえば、難しい言葉をたくさん知っていても、相手がその言葉を知らなければ伝わりません。
反対に、簡単な言葉だけでも、相手が理解できるように説明できれば十分です。
私は、言語化能力とは、頭の中にある情報を整理して、相手が理解できる形に変える力だと考えています。
難しい言葉を使わずに伝えることについては、
【言語化能力とは?】難しい言葉を使わない人ほど「伝えるのが上手い」理由でも詳しく書いています。
この記事では、その力をどう鍛えるかに絞って考えていきます。
言語化能力の鍛え方①結論を先に出す
仕事で説明を聞いていて、一番困るのが、
結局、何が言いたいのか分からない話です。
たとえば、
「昨日○○さんから電話があって、そのあと現場を確認したんですけど、最初は大丈夫だと思っていて……」
と経緯から始まる。聞く側は途中まで、
「で、何の話なんだ?」となります。
これを、「結論から言うと、納期が2日遅れます。」から始めれば、一気に分かりやすくなります。
そのあとで、「原因は○○です」
「現在は△△で対応しています」
「○日には完了する見込みです」と続ければいい。
結論を先に出すだけで、相手は「何についての説明なのか」を理解した状態で、その後の話を聞けます。
ただし、ここで勘違いしてはいけません。
結論さえ先に言えば、説明が上手くなるわけではありません。
その後の説明がバラバラなら、結局伝わらないからです。
言語化能力の鍛え方②情報を順番に並べる
言語化が苦手な人は、頭の中にある情報を、そのまま全部出してしまうことがあります。
でも、聞く側が知りたいことと、話す側が思い出した順番は違います。だから一度、頭の中で整理します。
たとえば仕事の報告なら、
結論 → 理由 → 必要な経緯 → 今後どうするか
くらいで十分なことも多いです。
もちろん、すべての会話をこの型に当てはめる必要はありません。状況によって必要な情報は変わります。
大事なのは、自分が話したい順番ではなく、相手が理解しやすい順番で話すことです。
言語化能力は、文章を作る力というより、情報を編集する力に近いのかもしれません。
言語化能力の鍛え方③相手の反応を見る
私は、説明しているときに相手が「きょとん」とした顔をしていたら、「あ、伝わってないな」と思います。
本当に伝わっていないときは、顔に出ることが多いです。
一方で、少し違う意味で伝わっているときは、返事や質問で分かります。こちらがAのつもりで説明したのに、相手がBについて質問してくる。
そんなときは、説明した内容が、こちらの意図とは違う形で伝わっています。
そこで、「説明したんだから分かるでしょ」で終わらせない。
私は逆に質問して、どこまで伝わっているのか確認します。言語化は、言葉を出したところで終わりではありません。
「伝えた」と「伝わった」は別です。
相手の反応を見て、必要なら言い直す。
そこまで含めて言語化能力だと思っています。
言語化能力の鍛え方④言い換える癖をつける
人の説明を聞いていて、何を言いたいのか分からないこともあります。
そんなとき、
「で?」「何が言いたいの?」
と問えば、相手によっては威圧的に感じます。
特に、もともと説明が苦手な人なら、余計に話せなくなってしまいます。
私はそういうとき、「つまり、こういうこと?」
と、こちらで一度整理して返すようにしています。
相手が、「そうです」と言えば、
こちらの理解も確認できます。
違えば、「いや、そこではなくて……」
と修正できます。
これ、実は説明が苦手な人を育てるときにも使えます。
こちらが整理した言葉を返すことで、
「こう並べれば伝わるのか」という見本を見せられるからです。
そしてこれは、自分の言語化能力を鍛える練習にもなります。
人の話を聞いて、「要するに何なのか」を短くまとめる。
かなり良い訓練になります。
言語化能力の鍛え方⑤文章と会話を両方使う
私は、文章を書くことはできます。
ブログも書きますし、小説も書きます。
でも、対面で話すのが得意かと言われると、正直そうでもありません。
文章なら、考える、書く、読み直す、順番を変える。
削る、言い換える、ということができます。
ところが会話では、それをその場でやらなければいけません。しかも相手の表情、声の調子、空気間まで入ってきます。
だから、文章で言語化できることと、その場で上手に話せることは、まったく同じではありません。
文章は、じっくり考える言語化。
会話は、リアルタイムの言語化です。
両方やることで、違う部分が鍛えられます。
人狼ゲームは言語化能力の練習になる
私は人狼ゲームが好きなんですが、あれは言語化能力を鍛えるにはかなり良いゲームだと思っています。
私は強くないですけどね(笑)。
人狼ゲームでは、
- 自分の考えをまとめる。
- 結論を出す。
- その理由を説明する。
- 相手の発言を聞く。
- 矛盾を探す。
- 質問する。
- 反論される。
- もう一度説明する。
これを短い時間で繰り返します。
文章なら何分も考えられることを、その場で言葉にしなければいけません。
だから、
頭の中にある考えを、その場で整理して言葉にする練習
としてはかなり優秀です。
もちろん、人狼ゲームをやらなければ言語化能力が鍛えられないわけではありません。
会議でもいい。雑談でもいい。
誰かに今日あったことを説明するだけでもいい。
大切なのは、実際に言葉にしてみることです。
言語化能力は「言い直す」ことで伸びる
言語化能力を鍛えようとすると、「最初から分かりやすく話さなければ」と思ってしまうかもしれません。
でも、最初から完璧に伝える必要はありません。
伝わらなかった。
違う意味で受け取られた。
説明が長くなった。
そういう経験があれば、
「次はこう言おう」と直せばいい。
文章なら書き直せます。会話でも言い直せます。
むしろ、伝わらなかった経験をそのままにしないことが、言語化能力を鍛える一番の近道だと思っています。
まとめ|言語化能力は伝わるまで修正する力
言語化能力は、難しい言葉を知っていることでも、文法が完璧なことでもありません。
頭の中にあるものを整理して、相手が理解しやすい順番に並べる。
相手が分かる言葉に変える。
そして、反応を見て修正する。
その積み重ねです。
まずは、
結論を先に出す。
必要な情報を順番に並べる。
相手の反応を見る。
伝わらなければ言い換える。
これだけでも、かなり変わります。
私自身、文章は書けても、対面で話すことにはまだ苦手意識があります。
だから言語化能力は、「身につけたら終わり」の能力ではないと思っています。
話して、書いて、伝わらなくて、また直す。
その繰り返しで少しずつ伸びていくものです。

