【議事録の取り方】AI時代でも知っておきたい基本と3つの作り方

会議 議事録の取り方 実務スキル

AIで議事録を作れる時代になりました。

会議を録音して文字起こしし、その内容をAIに要約させれば、以前なら会議後に時間をかけて作っていた議事録をかなり短時間で作れます。

実際、Microsoft Teamsでは会議の文字起こしをもとにAIが要約やフォローアップタスクを作成できます。Google Meetにも会議メモを自動作成する機能があります。

では、もう人間は議事録の取り方を知らなくてもいいのでしょうか。私は、そうではないと思います。

AIが作った議事録が正しいか確認するためには、そもそも良い議事録とは何かを人間が知っている必要があります。

それに、会社によっては、会議の録音ができない、文字起こし機能がない、AIの業務利用が認められていない、機密情報を外部AIに入力できない、という場合もあります。

この記事の結論

  • AI時代でも議事録の基本は知っておく
  • AIが使えない会社では、自分で議事録を取れる必要がある
  • AIが使える会社では、作成作業は任せてもよい
  • ただし、最終確認は人間が行う

この記事では、まず議事録の基本を確認したうえで、会社の環境に合わせた3つの作り方を紹介します。

自分の会社に合う方法まで、目次から飛んで読んでも大丈夫です。

議事録とは何か|会話を全部書くものではない

議事録というと、「会議で誰が何を話したか、できるだけ詳しく残さなければいけない」と思う人もいるかもしれません。

でも、通常の社内会議で必要なのは、発言を一言一句書き起こした記録ではありません。

会議が終わったあと、仕事を進められる情報が残っていることこれが大切です。

たとえば会議で1時間話したとしても、終了後に必要なのが次の4点なら、それが明確に残っている方が実務では役に立ちます。

  • A案で進める
  • 山田さんが見積を取る
  • 金曜日までに提出する
  • B案は価格確認後に再検討する

逆に、発言内容を10ページ書き残してあっても、「結局、何が決まったの?」「誰がやるの?」「いつまで?」が分からなければ、仕事では使いにくい議事録です。

議事録の目的は、記録そのものではありません。会議で決まったことを残し、次の行動につなげることです。

良い議事録に必要な7つの情報

会議の種類によって多少変わりますが、通常の業務会議なら、まず次の7つを押さえておくと整理しやすくなります。

項目残す内容
会議情報日時・参加者・会議名など
会議の目的何について話し合う会議だったか
決定事項何をすることに決まったか
ToDo会議後に必要な作業
担当者誰がその作業をするか
期限いつまでに行うか
未決事項今回決まらず、次回確認すること

特に重要なのが、決定事項・ToDo・担当者・期限・未決事項です。

決定事項と意見を分ける

会議では、「A案がいいと思います」「B案も検討してみては?」「それもありですね」と、さまざまな意見が出ます。

でも、これらはすべて決定事項とは限りません。

最終的に「今回はA案で進める」と決まったのであれば、それが議事録に残すべき決定事項です。

ToDoには担当者と期限をセットにする

「見積を確認する」だけでは不十分です。

山田さんが9月25日までに見積を確認するまで残せると、その後の行動につながります。

担当者や期限が決まっていないなら、勝手に補わず「要確認」としておいた方が安全です。

未決事項も残す

会議では、全部が決まるとは限りません。

たとえば「配送費を確認してから価格を決める」という状態なら、それも残します。

何が決まらなかったのかが分かれば、次回の会議をゼロから始めずに済みます。

議事録の作り方は会社の環境で変わる

ここまでの基本は、AIを使っても使わなくても同じです。

違うのは、どうやって議事録を作るかです。

自分の会社に合う方法を選ぶ

  • AIも録音も使えない → 自分で要点を取る
  • AIは使えるが録音できない → メモをAIに整理させる
  • 録音・文字起こし・AIまで使える → 作成を大きく自動化する

AIも録音も使えない場合の議事録の取り方

AIも録音も使えないなら、人間が会議中にメモを取る必要があります。

ただし、ここでも全部を書き取ろうとしないことが大切です。

会議中は、次の項目を中心にメモします。

  • 何が決まったか
  • 誰がやるか
  • いつまでか
  • 何が決まらなかったか
  • 重要な数字
  • 後で確認が必要なこと

たとえば、会議中のメモはこの程度でも構いません。

新製品A
・10月販売開始で決定
・価格は未定
・佐藤:原価再確認、9/25まで
・田中:販売資料作成
・価格は次回会議で決定

会議後に、これを整えれば十分です。

発言を全部書こうとしない

議事録初心者ほど、会話を全部書こうとしてしまいます。

すると、書くことに集中しすぎて、「結局何が決まったのか」を聞き逃すことがあります。

発言内容そのものが重要な会議を除けば、発言の記録より、決定と行動を取るくらいの意識でいいでしょう。

分からないことはその場で確認する

会議の最後に、「確認ですが、この件はA案で決定ということでいいですか?」「担当は山田さんで、期限は金曜日までですね?」と確認できれば、議事録の精度はかなり上がります。

これはAIを使わない場合だけでなく、AIを使う場合にも有効です。

AIは使えるが録音できない場合

次は、録音は禁止されているけれど、ChatGPTなどの生成AIは仕事で使える場合です。

この場合は、人間が要点だけメモして、AIに整理させる方法が使えます。

会議中は先ほどと同じように、決定事項・ToDo・担当者・期限・未決事項・重要な数字をメモします。

そのメモを、会議後にAIへ渡します。

以下は会議中に取ったメモです。議事録として整理してください。

・会議概要
・決定事項
・ToDo
・担当者
・期限
・未決事項

に分けてください。
メモにない内容は推測せず、不明なものは「要確認」としてください。

AIには文章ではなく整理を頼む

この方法なら、人間がきれいな文章を書く必要はありません。

たとえば「A案決定/山田 見積 金曜/B案は価格確認して次回/客先へ佐藤連絡」程度でも、AIなら読みやすく整理できます。

人間がやるべきなのは、必要な情報を取りこぼさないこと。文章を整える作業はAIに任せられます。

AIが勝手に補完しないよう指示する

ここは重要です。

会議メモに「来週くらいまでにやりたい」としか書いていないのに、AIが「期限:9月30日」のように勝手に具体化すると困ります。

「不明な情報は推測しない」と指示しておきましょう。

AIの文章が自然だからといって、内容まで正しいとは限りません。

録音・文字起こし・AIまで使える場合

もっとも効率化しやすいのが、録音・文字起こし・AI要約まで使える環境です。

Microsoft Teamsでは会議の文字起こしをもとにAI生成の要約やフォローアップタスクを確認でき、Google Meetにも会議メモを自動作成する機能があります。

参考:Microsoft Teamsの会議RecapGoogle Meetの会議メモ機能

この場合は、次の流れにできます。

録音 → 文字起こし → AIで要約 → 人間が確認 → 共有

会議中に議事録担当者がずっとPCへ入力する必要はかなり減ります。

AIには欲しい情報を指定する

文字起こし全文をAIに渡す場合も、「要約して」だけではなく、欲しい項目を指定します。

以下は会議の文字起こしです。

・会議の目的
・決定事項
・ToDo
・担当者
・期限
・未決事項
・重要な数字

に分けて整理してください。
決定事項と単なる提案・意見は分けてください。
担当者や期限が明確でない場合は推測せず、「要確認」としてください。

会議中の話し方も少し変える

AI議事録を使うなら、会議そのものも曖昧にしない方がいいでしょう。

  • 「では、この件はA案で決定します」
  • 「山田さん、9月25日までに見積をお願いします」
  • 「価格については今日は決めず、次回へ持ち越します」

これはAIのためだけではありません。

人間同士でも、「誰がやるんだっけ?」「それ決定したんだっけ?」という問題が減ります。

良い議事録を作りやすい会議は、そもそも仕事の進め方が明確な会議でもあります。

AIで作った議事録を人間が確認するポイント

ここが、AI時代には特に重要です。

AIはかなり便利ですが、生成された内容が必ず正しいわけではありません。

Microsoftも、AI生成の会議要約には不正確・不完全な内容が含まれる可能性があるとして、元の録音や文字起こしで確認するよう案内しています。ChatGPTの録音機能でも、文字起こしを含め誤る可能性があるため、重要情報の確認が必要です。

参考:Microsoft SupportOpenAI Help Center

確認項目見るポイント
決定事項提案や意見を決定として扱っていないか
担当者話者や依頼先を取り違えていないか
期限日付・時刻が正しいか
数字金額・数量・割合・型番などが正しいか
否定表現「やる/やらない」など意味が逆転していないか
未決事項決まっていないことを確定扱いしていないか

文章が自然であることと、事実が正しいことは別です。

AIが作ったものを仕事で使うなら、何が正しい成果物なのかを人間が知っている必要があります。

議事録なら、決定事項は何か。誰がやるのか。いつまでなのか。何がまだ決まっていないのか。この基本を知っているからこそ、AIの出力を確認できます。

録音やAI利用では情報管理にも注意する

録音やAIを使う場合は、効率だけでなく情報管理も考える必要があります。

会議には、顧客情報、氏名、売上や原価、契約内容、人事情報、未公開の商品情報、社内の機密情報などが含まれることがあります。

⚠️ AI議事録を使う前のチェック

  • 会社が許可しているツールか
  • 録音してよい会議か
  • AIへ入力してよい情報か
  • 誰がデータを見られるか
  • どこへ保存するか
  • いつ削除するか

便利だからといって、会社が認めていない生成AIへ会議内容をそのまま入力するのは避けるべきです。

また、録音する場合も、「議事録作成のため録音します」と参加者へ伝える運用にしておく方がトラブルを避けやすいでしょう。

Google Meetなどでは、録音やAIメモに関する参加者への通知や同意に関する仕組みも用意されています。会社のルールや利用サービスの条件に合わせて運用してください。

議事録は長く書くより仕事が進むことが大切

AIを使うと、長い議事録を簡単に作れるようになります。でも、長ければ良いわけではありません。

1時間の会議を全部文字起こしすれば、かなりの文章量になります。それを参加者全員が読み返すでしょうか。

多くの場合、会議後に知りたいのは次の4つです。

  • 何が決まった?
  • 私は何をする?
  • いつまで?
  • 何がまだ決まっていない?

だから議事録の上部に、決定事項・ToDo・担当者・期限をまとめてもいいでしょう。

必要になったときだけ、詳細な記録や文字起こしを確認する。その方が実務では使いやすい場合もあります。

まとめ|方法が変わっても議事録の基本は変わらない

AIによって、議事録の作り方は大きく変わりました。

  • 録音できる会社:録音 → 文字起こし → AI要約 → 人間が確認
  • 録音できないがAIは使える会社:人間が要点をメモ → AIが整理 → 人間が確認
  • AIそのものが使えない会社:決定事項・ToDo・担当者・期限・未決事項を中心に人間が取る

方法は違っても、必要な知識は同じです。

良い議事録とは何かを知っていること。

AI時代だから、議事録の知識が不要になったわけではありません。

むしろAIへ任せられる作業が増えたからこそ、何を任せて、何を自分で確認するのかを判断する力が必要になりました。

全部自分で書く必要はありません。

でも、AIが作ったものが正しいかどうかは、自分で判断できる。

それが、これからの議事録スキルだと思います。