SMARTゴールは、目標設定の定番として広く知られています。
具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性(Relevant)、期限(Time-bound)という5つの基準は、一見すると合理的かつ効果的です。
しかし、こう感じたことはありませんか?
「目標は達成したのに、なんだか満たされない…」
「頑張っているのに、なぜかワクワクしない」
それは、SMARTゴールが“論理”に偏りすぎていて、”感情”や”意味”が置き去りになっているからかもしれません。
数字的には正しくても、人生全体で見たときに“本当に自分が進みたい方向”ではなかった──そんなズレを感じたことはありませんか?
今、私たちに必要なのは、「心が動く目標」です。
- SMARTゴールの限界とその理由
- 「意味」と「感情」を重視した次世代の目標設定法
- SMART + MEモデルの具体的な構成と活用法
- 実際に使えるワーク形式の目標設定ステップ
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SMARTゴールの限界と見直しポイント

SMARTゴールには確かにメリットがあります。
- ゴールが明確になりやすい
- 数字で評価しやすく進捗が測れる
- 達成までの計画を立てやすい
しかし、それは「短期的成果」には有効でも、「長期的成長」や「内面の納得感」には必ずしもつながらないことがあります。
🔎陥りがちなパターン:
- 他人と比較して立てた、なんとなくの目標
- 上司や会社の評価を意識しすぎた目標
- 「すぐ結果を出す」ことばかりに偏った目標
こうした目標は、達成しても達成感が薄く、逆にモチベーションを下げてしまう危険性すらあります。あなたの目標は、“あなた自身の人生”とつながっているでしょうか?
次世代のゴール設定:「意味」と「情熱」を取り戻す

人は「数字」だけでは動けません。人が動くのは、「意味」と「感情」が揃ったときです。ここでは、自己一致感を大切にした目標の立て方に注目します。
▷ 自分にとって意味のある目標か?
- なぜそれをやるのか? 自分の人生にどんな意味があるのか?
- 自分の価値観や信念と一致しているか?
- その目標が、将来どうつながるのかを想像できるか?
▷ 自分の情熱が込められているか?
- 達成を想像したとき、心が動くか?
- 「苦しくてもやりたい」と思えるだけの理由があるか?
- 目標の過程に、自分らしさを感じられるか?
この2つが揃ったとき、目標は「義務」ではなく「選択」に変わります。
SMART + ME(Meaningful & Emotional)という新視点
従来のSMARTに「意味(Meaning)」と「感情(Emotional)」を加えることで、目標は“生きた設計”になります。
🧩 SMART + ME モデル:
要素 | 目的 |
---|---|
Specific(具体的) | 何をするかを明確に |
Measurable(測定可能) | 成果がわかる形に |
Achievable(達成可能) | 現実的な設定に |
Relevant(関連性) | 自分の目的と整合するか |
Time-bound(期限付き) | いつまでにやるか |
Meaningful(意味) | なぜそれをやるのか? |
Emotional(感情) | 心が動くか?ワクワクするか? |
特に重要なのは、「Meaningful」──この目標が“人生全体”においてどんな意味を持つか、という視点です。
これは単なる作業やKPIを超えた、あなた自身の「人生戦略」に近いものになります。
従来のSMARTゴール vs 次世代型ゴール:例で比較
📌 従来型:
- 「3ヶ月で5kg痩せる」
📌 次世代型:
- 「3ヶ月で5kg痩せて、自分の身体に自信を持ち、憧れていた登山に挑戦する」
このように、具体的な行動の先にある“感情”や“体験”を織り込むことで、目標が日常に根ざし、継続するモチベーションへと変化します。
実践:あなた自身の「意味あるゴール」をつくるワーク

以下の問いに、じっくりと時間をかけて答えてみてください。
- 最近「本当にやりたい」と感じたことは何か?
- それはあなたのどんな価値観や経験と関係しているか?
- 目標が達成できたとき、誰と喜びを分かち合いたいか?
- SMART + ME に照らして、その目標を言葉にしてみると?
このワークは、目標を“頭で考えるもの”から、“心で感じて腑に落ちるもの”へと変換してくれます。
まとめ:心を動かすゴールが、あなたを動かす
目標設定とは、単なる手段ではなく、人生をデザインする行為です。
数字の達成だけを目的とするのではなく、「自分は何を信じ、何を実現したいのか」という深い問いからスタートすること。
それが、ブレない目標を生み、折れない自分を育てる鍵になります。
次にあなたが目標を立てるときは、「意味と情熱があるか?」を自分に問いかけてみてください。