
最近、仕事で成長している気がしない…
そんなふうに感じることはありませんか。
新人の頃は、新しい仕事を一つ覚えるだけでも成長を感じられました。
一人で資料を作れるようになった。
お客様への対応を任されるようになった。
以前は時間がかかっていた仕事を、一人で終わらせられるようになった。
でも、仕事に慣れてくると、それまで難しかったことが当たり前になります。
毎日の仕事は普通にできる。
大きなミスもしない。
周りから注意されることも減った。
それなのに、「最近、何ができるようになったんだろう。」と感じる。
私は、これは珍しいことではないと思っています。
成長して慣れたからこそ、成長が見えなくなることもあります。
ただ、本当に同じ場所で止まっている場合もあります。
大切なのは、まず
今の自分がどこにいるのかを知ることです。
仕事に慣れると成長を感じにくくなる
仕事を始めたばかりの頃は、成長がとても分かりやすいものです。
できなかったことが、できるようになるからです。
私も職人をしていた頃は、自分の成長をよく実感できました。
最初は時間がかかっていた作業が、少しずつ速くなる。
技術が身につき、以前よりもきれいに仕上げられるようになる。
先輩に教えてもらわなければできなかった仕事を、一人で任されるようになる。
昨日までできなかったことができるようになるのは、純粋に楽しいものでした。
しかし、同じ仕事を何年も続けていれば、変化は少しずつ見えにくくなります。
昨日もできた。
今日もできた。
明日もおそらくできる。
それまで挑戦だった仕事が、いつの間にか
「いつもの仕事」になります。
これは、成長していないからではありません。
成長した結果、できることが当たり前になったのです。
仕事の成長には大きく三つの段階がある
仕事で成長を実感できないとき、いきなり資格を取ったり、転職を考えたりする必要はありません。
まずは、自分が今どの段階にいるのかを考えてみてください。
私は、仕事の成長には大きく三つの段階があると思っています。
できないことができるようになる
最初の段階です。
教えてもらいながら仕事を覚え、一人でできることを増やしていく。
この時期は、成長が最も分かりやすいものです。
昨日できなかったことが、今日はできる。
「できた」が増えるので、自分でも成長を実感できます。
できることをうまくできるようになる
次の段階では、仕事そのものはすでにできています。
しかし、同じ仕事でも質は少しずつ変わります。
- 以前より速くできる
- ミスや手戻りが減る
- 確認すべきポイントが分かる
- 相手が欲しい情報を先回りして出せる
- 問題が起こりそうな場所に早く気づける
仕事ができなくて困っているわけではない。
むしろ、普通にはできている。
そのため、最初の頃ほど大きな変化を感じられなくなります。
今の仕事から次の課題へ進む
さらに経験を積むと、自分の仕事を問題なくこなすだけでは、成長を感じにくくなります。
ここからは、
- 作業や仕組みを改善する
- 人に教える
- 判断する範囲を広げる
- 少し難しい仕事を引き受ける
- 新しい知識や技術を加える
- 今までとは違う役割を経験する
といった次の課題が必要になります。
新人の頃は、会社や上司が次の課題を与えてくれます。
しかし、経験を積むほど、次に何を伸ばすのかを自分で考える場面が増えていきます。
成長はできる仕事の数だけでは測れない
仕事で成長を実感できない人ほど、
「最近、新しい仕事を覚えていない。」と考えがちです。
しかし、仕事の成長は、できる仕事の種類が増えることだけではありません。
例えば、同じ資料を作る仕事でも、
言われたとおりに作れる。
↓
修正される回数が減る。
↓
相手が判断しやすい資料を作れる。
↓
そもそも何を伝えるべきか、自分で考えられる。
同じ「資料を作る」という仕事でも、中身はまったく違います。
顧客対応も同じです。
聞かれたことに答えられる。
↓
相手が次に何を知りたいか考えられる。
↓
問題が起こる前に確認できる。
↓
必要に応じて、社内の人を巻き込める。
できる仕事の種類が増えていなくても、仕事の深さは増えています。
- 以前より速くなったか。
- 正確になったか。
- 判断できる範囲が広がったか。
- 人に説明できるようになったか。
- 周囲への影響まで考えられるようになったか。
一年前の自分と比べてみると、意外と変わっていることがあるかもしれません。
仕事の成長には「幅」だけでなく、「深さ」もあります。
成長の段階によって、量をこなすべき時期と、質を高めるべき時期は変わります。
【量より質VS質より量】とにかく数?それとも質?成長段階で切り替える実践ガイド
成長を実感できないなら方向を少し変える
振り返ってみても、
「やはり去年と何も変わっていない。」
と思うなら、本当に停滞している可能性もあります。
そんなときは、同じ仕事をもっと速く、もっと多くこなすだけではなく、成長する方向を少し変えてみてください。
- 今まで上司に任せていた判断を一つ担当する
- いつもより少し難しい案件に手を挙げる
- 作業の改善案を考える
- 新しいツールを試す
- 今の仕事に関係する知識を学ぶ
- 顧客への説明を担当する
- 後輩に仕事を教える
大きく環境を変えなくても、今までとは少し違う役割を経験することで、再び「できなかったことができるようになる」を味わえます。
成長を実感できないときは、負荷を上げるだけでなく、負荷をかける方向を変える。
それが、次の成長につながることがあります。
仕事に慣れたあと、そこで成長を止めないための考え方については、こちらの記事でも詳しく書いています。
必要に迫られた挑戦でも人は成長できる
新しいことへ挑戦した人の話を聞くと、
「もともと成長意欲が高かったのだろう。」
「新しい仕事をやりたかったのだろう。」
と思うかもしれません。
しかし、私が仕事の幅を広げてきた理由は、成長したかったからだけではありません。
むしろ、仕事では必要に迫られて始めたことのほうが多いと思います。
職人をしていた私が営業へ行くようになったのも、営業をやりたかったからではありません。
できれば、やりたくありませんでした。
最初は、人と話すときにどもることもありました。
それでも、仕事として必要ならやるしかありません。
何度も人と会い、商品を説明し、うまく話せなかった経験を重ねるうちに、それなりに話せるようになりました。
やりたいと思って始めたわけではありません。
しかし嫌だと思いながらも逃げずに続けた結果、振り返ったときに、以前はできなかったことができるようになっていました。
成長するために、最初から前向きである必要はありません。やる気が出てから始めなくてもいいのです。
必要に迫られ、仕方なく始めたことでも、やり切れば自分の力になることがあります。
慣れた場所から一歩外へ出るのは、決して楽ではありません。それでも、今までの自分にはなかった力が身につくのは、そういう場所なのだと実感しています。
人に教えることで自分の成長が見えてくる
ある程度仕事ができるようになった人に、一度やってみてほしいのが、人に教えることです。
自分では当たり前にやっている仕事でも、人に説明しようとすると簡単ではありません。
「ここを確認してください。」と教えたときに、
「なぜですか?」と聞かれる。
すると、自分が普段どこを見て判断しているのかを、言葉にしなければなりません。
なぜ、この順番なのか。
なぜ、ここは省略してはいけないのか。
どのようなときに確認が必要なのか。
無意識にやっていたことを言葉にすると、
「昔は、ここまで考えていなかったな。」と気づくことがあります。
教えられるようになることも、一つの成長です。
管理職になる必要はありません。
後輩に仕事を一つ説明する。
引き継ぎ資料を作る。
自分の仕事のやり方を整理する。
それだけでも、自分がどこまで理解できているのかが見えてきます。
成長する機会そのものがない職場もある
一方で、自分で何かを変えようとしても、成長する機会そのものが少ない職場もあります。
- 何年も同じ仕事しか任されない
- 新しい仕事を覚えたいと言っても任せてもらえない
- 改善を提案しても何も変わらない
- 役割が完全に固定されている
- 新しいことへ挑戦すると止められる
こうした場合まで、「自分の努力が足りない。」と考える必要はありません。
まずは、
「別の仕事も覚えたい。」
「もう少し難しい仕事を担当したい。」
と伝えてみる。
異動や担当変更ができないか聞く。
今の仕事に使える知識を、自分で増やしてみる。
それでも何年も状況が変わらず、自分はもっと成長したいと思っているなら、環境を変えることも選択肢になります。
ただし、「成長を感じないから、すぐ転職」ではありません。
まずは、自分が変えられることを試してみる。
それでも変わらないなら、環境側の問題を考える。
この順番でいいと思います。
まとめ|成長実感がなければ次の課題を探そう
仕事で成長を実感できなくなったとき、
「自分はもう成長していない。」とすぐに決めつける必要はありません。
以前は難しかった仕事が当たり前になり、成長が見えにくくなっているだけかもしれません。
まずは、一年前の自分と比べてみてください。
- 速くなったこと。
- 正確になったこと。
- 判断できるようになったこと。
- 人に説明できるようになったこと。
そこに変化があるなら、ちゃんと前へ進んでいます。
そして、今の仕事を十分うまくできるようになっているなら、同じことを繰り返すだけでは成長を感じにくくなります。
そのときは、「もっと頑張る」ではなく、
「次に何を伸ばすか」を考えてみてください。
- 少し難しい仕事をする。
- 仕事の質を上げる。
- 改善する。
- 人に教える。
- 今までとは違う役割を経験する。
成長するための挑戦は、自分から選んだものでなくても構いません。
必要に迫られ、嫌だと思いながら始めたことでも、逃げずにやり切れば自分の力になります。
「慣れている」と「止まっている」は、よく似ています。
仕事で成長を実感できないときは、一度自分の現在地を確認し、そこから次に何を伸ばすのかを決めてみてください。

